Looking for Japan

平成28年度文化交流使(長期派遣型)
土佐 尚子
アーティスト,京都大学教授
  • 派遣国:イギリス,韓国,フランス,アメリカ,シンガポール,タイ,フィリピン,ニュージーランド
  • 活動期間:2016年10月27日〜2017年4月30日

地球を2周ほどした私の文化交流使の旅は,世界中の人々が日本の美をどのように受け取っているのかを学ぶ旅でした。実は,文化庁の方が京大総長を訪問された時,「本当は行ってほしくないのだけれども」と言われるぐらい,周りの目は厳しいものでした。それでも,文化交流使として自分の作品を通して日本文化を伝え,文化交流を通して得たものは,その後の人生観を大きく変えました。私の文化交流使の旅は,期待と不安を抱えたままロンドンから始まりました。私の作品は,日本文化の美意識と先端技術を合わせた作品が特徴です。ロンドンの旧市庁舎であるカウンティホールで,2016 年に京都の建仁寺に奉納した作品群を持っていき『Looking for Japan』という個展を開催しました。その後,Goldsmiths での特別講義を行い,その後Goldsmithsと京大との学術交流協定に発展し,翌年京大Goldsmiths 国際シンポジウムを開き学術交流協定を結びました。11 月には, パリ日本文化会館で講演も実施しました。1 月のシンガポールでは,Japan Creative Center での講演とIkkan ArtGallery での新作の個展を開催しました。1 月後半には,米国ロスアンゼルスのUCLA の芸術学部に招かれ,パネルディスカッションと展覧会を実施,ロスアンゼルス総領事館で講演を行いました。2 月には国際交流基金の招きでフィリピンのマニラに訪問し,現地の美術大学での講演とユチェンコ美術館での展覧会を実施しました。2月の後半には,ニュージーランドへ向かい,オークランドギャラリーで講演を実施し,ウェリントンではマッセー大学で講演と展覧会を実施しました。3月上旬には,ニューヨークへ向かい,メディアアートのアートフェア“Moving Image”に作品を出品しました。その後,ロンドンへ向かい,Goldsmiths と2017年度の京大国際シンポジウムの企画ミーティングを行いました。最後は4月に,1か月間NY に滞在しました。NY ジャパンソサエティのギャラリーとのコラボレーションで土佐映像作品の『Sound of Ikebana(Spring)』を,Times SquareArt が主催する「Times Square Midnight Moment」に応募し,その映像は寒いNY の春の桜を待つ人々の心を捉え,2017年4月のアーティストとして選ばれました。4 月の1か月間,NY の象徴であるTimes Square のエレクトリックビルボード60 台に毎夜11 時57 分から3分間上映され,NY の人々に映像の夜桜を振る舞いました。4 月の半ばには,NY 日本総領事館で講演を行いました。4 月後半には,NY ジャパンソサエティの日本イベントでの映像インスタレーションを実施しました。また私のビデオアートをMoMA でコレクションした元MoMA のシニアキュレーターで現イェール大教授のバーバラ・ロンドン氏や日本研究で著名なドナルド・キーン研究の第一人者であるコロンビア大学のポール・アンドラー教授とも交流しました。

NY Times Square Midnight Moment での土佐映像作品『Sound of Ikebana (Spring)』を60 台以上のビルボードで4 月毎夜3 分間,上映されました。

シンガポールのIkkan Art Gallery での土佐映像作品『Genesis』をシンガポールの篠田大使に説明する様子

私が20代の頃作ったビデオアート『An Expression』をニューヨーク近代美術館(MoMA)のコレクションにした元MoMA のシニアキュレーターのバーバラ・ロンドンとの20年ぶりの再会。NY にて

 

土佐 尚子 プロフィール